「Chan’s Song(Never Said)」

映画ラウンドミッドナイトのエンディングで静かに流れる美しい曲は、ハービーハンコックが作曲した「Chan's Song」です。メロディーはとてもシンプルで、音数も少なく、同じようなフレーズの繰り返しが多いのですが、この曲も何しろハーモニー展開が秀逸で、この上なく美しく、何度聴いても飽きのこない名曲だと思っています。ハンコックのタイム感覚や精緻なタッチを正確に再現するのは大変難しいのは承知の上でですが、この曲を実際にコピーして弾いてみると、曲の流れに寄り添うようにあてられるコードとハーモニックセンスの完成度の高さ、そしてそこから導かれる哀愁漂う美を実感することが出来ます。特にAメロ16小節(8x2)のうち9-16のハーモニーを発展させていくコードチェンジに私自身すっかり虜になり、その状態が今も続いています。(9小節のE♭maj7/F~G7altの部分は白眉!!)

1-8小節

 G♭maj7   |  D9/G♭|B♭maj7/F  | Dm7/G   | Cmaj7  E♭7  |  A♭maj7 | A♭m7/D♭

9-16小節

 G♭maj7   |  E♭maj7/F| Dm7+9  | Fm7/B♭ G7alt   | Cm7  E♭7  |  A♭maj7 | A♭m7/D♭  Bm7/E♭|~

長きにわたって、弾くたびにささやかな喜びを提供してくれる自分にとってかけがえのない曲の一つです。

 

なお、この曲はスティービーワンダー作詞による歌バージョンがあり、ダイアンリーブスによってカバーされています。こちらもお気に入りです。

 

 

 

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