昭和の音楽風景
昭和40年代に生まれた方なら、作曲家宇野誠一郎氏の童謡、アニメソングはその名前は知らなくても一度は口ずさんで歌ったことがあると思います。
すぐに出てくるものでも、ひょっこりひょうたん島、ムーミン、アンデルセン物語、ロッキーチャック、一休さん等、おなじみのものから、少々マイナーなものまで、多くのの楽曲を提供されました。
特にテレビアニメのエンディングテーマの方(キャンティの歌など)は、メロディーが優美で、どこか寂しげながら温かな気持ちになれる曲調のものが多く、子供向けの番組を見ていても、現在ではなかなかこれほどの情緒豊かな曲を耳にする機会はありません。その点で現代の子供達は可哀そうだなあと勝手な思いに至ることもあります。
1970年前後に放映していたムーミンは、最近でもYoutubeで動画がアップされているので、懐かしさも手伝って子供と一緒に何度か見ましたが、ストーリーの中で流れるBGMも含め、ムーミン(TV番組)の独特の世界は、やはり宇野誠一郎氏の曲があったからこそ創り上げることが出来たのだと確信しました。
あの有名なムーミンのOP曲は、歌の部分よりも歌が終わって少し長めの間奏(終奏?)のところが自分のお気に入りです。コードの流れとしては、
Gm C7 Am7 Dm/F
B♭ B♭dim Am7 G-♭5(or B♭dim/G)
ですが、5小節目から幻想的で美しい曲調を盛り上げる際に、6小節目にB♭dimをあてるあたりが絶妙で感涙もの。。。大変勉強になります。B♭dimは理論的にはサブドミナントマイナー(Fキー)とも捉えられると思いますが、もの哀しく美しいと感じるような曲の多くにこのコードが使われますが、宇野氏の場合はdim(ディミニッシュ)なので、どこか幻想的、つまりムーミンのようなファンタジーの世界に効果的に働いているように思えます。